汚水槽とは、排水槽の一つです。排水槽には、し尿を処理する汚水槽と一般雑水を処理する槽とがあります。汚水槽は、ビルなど比較的大きな建物で設置されているものです。地下階がある建物などでは、地下に汚水槽が設置されていて、建物の汚水をひとまずためて、それを下水道にポンプで排出するという方法を用いています。
一般家庭では、汚水槽がなくてそのまま直接下水道に流れていくというのが多いです。しかし、地下があるような住宅では、汚水槽付という場合もあります。
汚水槽は、し尿などの汚水を一時的に貯めるところですから、定期的な管理と点検が必要です。東京都では、ビルの汚水槽に関しては、1月に一度の定期点検が必要で、汚水槽と付帯設備の点検が行われます。また、4ヶ月に一度の汚水槽の清掃が行われることになっています。これらは、契約している専門業者によって行われます。
汚水槽の付帯装置ですが、ばっ気装置や汚水を下水道に排出するポンプがあります。ポンプは、オムツなどの流入などによって故障することがあるのです。ポンプが故障すると下水道に汚水を排出することが出来なくなり、満水状態になります。それを防ぐために、満減水警報装置が設置されています。異常が生じた時に速やかに対処するためです。
汚水槽によくある現象としては、スカムがたまることや衛生害虫の発生があります。スカムは、し尿などが固形物として汚水槽の上部あるいは下部にたまることです。スカムが大量に溜まる前に清掃が必要です。衛生害虫にはチョウバエやゴキブリがあります。また、悪臭も一つの問題です。通常は、ばっ気させているので悪臭がひどくなることは無いのですが、ばっ気装置が故障していると、し尿臭の悪臭が立ち込めます。こうした問題を防ぐために、しっかりとした会社と契約して定期点検と管理をしておくことが必要です。地域の環境を守るために汚水槽が機能していることは大切になります。